当たり前の経営~指示命令系統の明確化②
しかし、その反面失ったことも大きいようです。
今まで機能していた中間管理職も排除されてしまった為、
ごく一部の経営陣とその他大勢の社員という構図が出来上がってしまいました。
存在意義を問われる中間管理職は
独自の色を出すために四苦八苦しています。
何とか自分の部隊を最強軍団に育て上げ、
全社目標のために日々活動している側から、
その管理職の頭越しに命令が来てしまったらどうなるのでしょうか。
それがまた矛盾したような命令であったなら、
社員の混乱は一層拍車が掛かるのです。
また、こういうフラットな組織からは
どうも優秀な中間管理職は育ちにくいようです。
たとえ能力があり中間管理職に抜擢されても、
組織構造が管理職を排除しているのでは育たないのも無理はありません。
こうなると除々に経営陣が老齢化してくるにも拘わらず、
健全な世代交代がなされないので、
いつまでも同じ役員が会社に居座わることになり、
企業は疲幣してきます。
この頃のエピソード
◎ 『社長、そないに私の頭越しに命令するんだったら、
私いらんよってどうにでもしてください』
■ 『あほ、何言ってんねん。
あのなあ、わしはおぬしがいらんとは言うとらんよ、
ただわしが直接命令下したいことがあるんやから、
言っているのやさかい、その辺わかってえーな』
◎ 『でも社長がそれをやればやるほど、
私の存在感はなくなってしまうバッテン、
どないして生きていったらよかとよ。
何かいい方法あるとですか?』
■ 『そんなもんわからへんわ、
わしそんな組織で動かすような企業に勤めたことあらヘンさかい、
おぬしが言うような組織論とか何とか、難しいこと、わからへんで』
◎ 『社長、細かいことはわかなくてもよかとです、
ただ大事なことは私を信頼してすべてを任せているということを
社員に見せる必要がありますタイ、その辺わかっちょりますか?』
■ 『へぇー、そないなもんかいな?
わし、今まで自分勝手に言うて来たし、
ここまで会社大きくなったんやから、
そないやり方も良かったんじゃなかろうか?』
◎ 『社長、それは確かにそういう側面はあったかもしれましぇんが、
これからはそうは行かんとです。
わが社は上場するバッテン、
その辺大人の会社にならんといかんですタイ』
■ 『そやな、大人の会社にならんとな』
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