当たり前の経営~指示命令系統の明確化①
20人以下の会社では、オーナー社長がすべて決裁し、
社員もすべて社長の方を向いているので指示命令系統の混乱はありません。
これが20人以上になってくると、
やはり管理職や一族以外の役員も必要になってきて、ある階層が生まれます。
社長が管理職に任せる範囲を明確にしておくと混乱も生じないのでしょうが、
同族経営やオーナー企業のまま大きくなった会社では、
昔からのやり方から簡単に抜け切れないものです。
ある範囲の決済権を与えているとは言っても、
管理職が決定したことを簡単にくつがえしてしまいます。
そうなると途端に社員はその力関係を敏感に感じ取り、
部長や役員の向こうに社長の顔を見てしまいます。
部長の指示命令の重みはその瞬間から軽くなってしまうのです。
ITの普及によって今やフラットな組織が推奨されるようになって来ました。
トップと社員がダイレクトにコミュニケーションが取れるようになったため、
現場の声や生きた情報が入り易くなりました。
この効果は非常に大きい。
経営陣がその情報をもとに潜在リスクを回避出来るし、
競争優位に立つための戦術も取りやすくなります。
しかし・・・。
この頃のエピソード
◎ 『こら、三喜田、自分、何で勝手に資材の購入先変えたんや!
阿寒ブラザース㈱から今まで通りマリモ仕入れればえーやないか?』
■ 『社長、でもこちらの松任藻商事の方がはるかに価格が安かったもので、
どうしようもなく変えたとです』
◎ 『アカンアカン、そないなことしたら、
今迄のお付き合いというもんあるがな』
■ 『しかし、お言葉ですが、わしらどないしたらコスト削減できるんか、
いつも頭悩ましとるんですバイ。
こんな価格の安い会社が見つかったら飛びつくの当たり前ですタイ』
◎ 『あほ、それは正論やがな、
そこを無理してわしら一族の息の掛かったところからさりげなく仕入れるのが
おぬしの仕事やないけ!』
■ 『なかなかそんなうまくいかんとです、社長。
社員はみな見とるバッテン、社長一族だけを大事にしとると、
結局その影響で社員の給料が上がらんといわれると、どうしようもならんバイ』
◎ 『そんなに社員は騒いでおるんか。
お前に購買だけでなく管理部門の全権を任したんやから何とかせいよ』
■ 『バッテン、社長の我がままがちょこちょこ出ると、
わし、本当にやりにくいんですタイ。
その辺何とか自重してくれないですかのー?』
◎ 『そんなに社員はうるさいんか。
しょうも無い奴らやな、誰に給料もろうてると思ってんのや。
自分の説得力が無いんと違うか。
わしなら有無を言わせず説得してしまうがな』
■ 『社長、それ説得と違うとです。
そんなことするからますますややこしいとになりますタイ』
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